長い歴史と伝統に育まれた関西の代表的な郷土料理をご紹介します。
※由来や歴史には諸説あります。
※由来や歴史には諸説あります。

浪速のソウルフード「串カツ」は、もともと通天閣でおなじみの“新世界”で大正末期から昭和初期に発祥したものといわれています。牛肉、野菜、魚介などバラエティー豊かな素材を串に刺し、揚げたてをいただくのが主流で、ソースは客同士で共有するため「2度づけ禁止」の鉄則も※。「安い・美味い・早い」が揃った大阪庶民の味ですが、いまでは全国チェーン店ができるほどの人気グルメに成長しました。
※最近では、ソースの提供方法を個別などに変更している店舗も増えています。
※最近では、ソースの提供方法を個別などに変更している店舗も増えています。

生のいかなごの稚魚を醤油、砂糖、しょうがなどで甘辛く炊き上げた佃煮で、煮上がった姿がさびた釘(くぎ)が曲がったように見えることから「くぎ煮」と呼ばれます。漁師めしから地元の家庭料理として発展したもので、垂水(たるみ)や明石港で3月頃に水揚げされるいかなごのくぎ煮は、現在も春の風物詩として定着しています。

京都の伝統野菜である「聖護院だいこん」を使った郷土料理の一つ。苦味がなく煮崩れしにくい聖護院だいこんをやわらかく炊き、白味噌に柚子を加えた「柚子味噌」をかけていただく、冬にぴったりなおばんざいです。味噌で大根そのものの旨みを味わう京都らしい一品で、あつあつの大根と柚子の香りが身体を芯から温めてくれます。

琵琶湖の天然ニゴロブナを1匹ずつ丁寧に塩漬けし、炊いたご飯と一緒に漬けて自然発酵させた「なれずし」の一種で〝現存する最古の寿司〟ともいわれます。その歴史は奈良時代まで遡り、祝いの席やお正月などハレの日のごちそうとして親しまれてきました。強い酸味とほどよい塩辛さ、噛めば噛むほど広がる魚の旨みが特徴の高級珍味です。