テレビで特集が組まれるほど身近な韓国料理。でも、その歴史や文化はあまり知らないという方も多いのでは? そこで、まずは韓国ならではの食文化と魅力をひもときます。深く知れば、なにげなく食べていた韓国グルメがもっとおいしくなるはず!
韓国の主食は日本と同じ「ごはん」です。白飯だけではなく、粟や麦、大豆、小豆などの雑穀を混ぜて炊くことが多く、そこにスープ、メイン料理、おかず、キムチなどが並びます。スープにごはんを入れて「クッパ」として食べたり、日本に比べて普段からよくおかゆを炊いて食べたりするのも特徴です。
ほうれん草や人参などの、ナムルの色彩が美しい「ビビンパ」やサンチュにエゴマの葉などたっぷりの薬味野菜や、発酵食品であるコチジャン、キムチも一緒に包んで食べる「サムギョプサル」。基本のにんにくやしょうが、ねぎをはじめ、味や香りを引き立てる多種多様な薬味野菜や香辛料が韓国料理の奥深さを支えています。特ににんにくの消費量は世界トップクラスで、韓国料理がスタミナ料理と言われる所以にもなっています。
韓国の女優やアイドルの透き通るようなツヤ美肌に憧れる方も多いのでは? そのヒミツの一つと言われるのが、韓国料理に欠かせない発酵食品です。「カンジャン(醤油)」「テンジャン(味噌)」「コチジャン(唐辛子味噌)」に代表される発酵調味料はもちろん、国民食であるキムチに至っては、晩秋に行われるキムチ漬けの風習「キムジャン文化」が2013年にユネスコの無形文化遺産に登録されているほど。豊かな発酵食品の歴史は、そのまま韓国の食文化の歴史と言っても過言ではありません。
韓国料理には、食べるものは全て薬になるという「薬食同源(약식동원/ヤクシクドンウォン)」の精神が根付いています。そのため古来より「食べるもので病気を予防し、健康維持をしていこう」と、食事のバランスを大切にする文化が育まれてきました。 たくさんの副菜が彩り豊かに並ぶのも、食材を青・赤・黄・白・黒の五色に分類し、辛味・甘味・酸味・鹹味(かんみ)・苦味の五味で味付けることで健康へ導く「五味五色」の考え方から。五色、五種類の味付けで献立を作ることが健康に良いとされています。
※由来やいわれには、諸説あります。
一度でも訪れたことがある人にはおなじみですが、韓国の繁華街にはテイクアウトまたはその場で立ちながら手軽に食べられる屋台がたくさん立ち並んでいます。メニューは、トッポッキ(トッポギ)やおでん、天ぷらなどのおやつ代わりになる軽食が中心。お酒も飲めて座って食べるタイプの屋台もあります。韓国の風物詩とも言える屋台料理から、日本でもブームになったチーズが伸びる「ハットグ」など、数々の屋台発グルメが生まれています。